Claude Codeのワークフローとは?大量のAIを台本で動かす

この記事の要点
- ダイナミックワークフローは、Claude が書いた「台本(スクリプト)」が、たくさんのサブエージェントを動かす仕組み
- 段取りを会話ではなく台本が持つので、数十〜数百のAIを動かしても会話が埋まらず、同じ段取りを何度でも再実行できる
- まず小さく1回試し、うまくいった台本を保存して、毎回同じ品質で回す
AIに仕事を任せるとき、1つずつ頼むなら会話で十分です。ところが「資料100件を同じ観点で確かめたい」「10個の情報源を読み比べて、食い違いを洗い出したい」となると、話が変わります。会話の中で1件ずつ頼んでいると、途中経過で画面が埋まり、どこまで終わったのかも分からなくなります。
Claude Code には、こうした大量の仕事のための ダイナミックワークフロー(dynamic workflows) という仕組みがあります。この記事では、公式ドキュメントと変更履歴(2026年10月21日確認)にもとづいて、何ができるのか、ほかの方法と何が違うのか、どう始めて、どう費用を抑えるのかを整理します。
結論:段取りを「台本」に書き出して、AIの大人数チームを動かす
ワークフローのいちばんの特徴は、段取りを持つのが Claude ではなく台本(JavaScript のスクリプト)だ という点です。台本は Claude が書くので、使う人がプログラムを書く必要はありません。
台本が「この一覧の1件ずつに係を付ける」「全員の結果を集める」「別の係に確かめさせる」という流れを持ち、裏で実行されます。途中の結果は台本の中に置かれ、会話には最後の答えだけが届きます。だから 数十〜数百のAIを動かしても、会話が埋まらない のです。
ほかの方法との違い(だれが段取りを持つか)
公式ドキュメントでは、サブエージェント・スキル・エージェントチーム・ワークフローを「だれが計画を持つか」で比べています。要点を表にまとめます。
| 方法 | 次に何をするか決めるのは | 規模の目安 | 繰り返せるもの |
|---|---|---|---|
| サブエージェント | Claude(1回ずつ) | 1回の依頼で数件 | 係の定義 |
| エージェントチーム | リーダー役のAI | 長く動く数人 | チームの定義 |
| ワークフロー | 台本 | 1回で数十〜数百 | 段取りそのもの |
もう1つの違いは、品質を上げる型を組み込める ことです。たとえば「見つけた問題を、別のAIに反対の立場から確かめさせてから報告する」「1つの計画を複数の角度から下書きさせて比べる」といった流れを、台本として毎回同じように回せます。1回で出した答えより、信頼できる結果になりやすい仕組みです。
サブエージェントそのものの使い方は、Claude Codeのマルチエージェント入門で解説しています。
はじめての1回:用意されたワークフローを動かす
いちばん手早いのは、最初から入っている /deep-research を動かすことです。調べたい問いを書くと、いくつかの角度で検索し、見つけた情報源を読み比べ、確かめられなかった主張を落としてから、出典つきのまとめを返します。
/deep-researchのあとに、調べたい問いを書いて実行する- 「ワークフローを動かしてよいか」と聞かれるので、計画(段階の一覧)を見て許可する
- 裏で動いている間も、会話はふつうに続けられる。進み具合は
/workflowsで見る - 終わると、まとめが会話に届く

/workflows の画面では、段階ごとに何体のAIが動いているかが見え、1体ずつの指示と結果まで開けます。p で一時停止、x で止める、s で台本を保存、という操作もここで行います。
自分の仕事でワークフローを作らせる
自分の仕事で使うときは、依頼文に ultracode という言葉を入れるか、「ワークフローで」と書いて頼みます。Claude がその仕事用の台本を書いて実行します。
公式ドキュメントにある依頼の形を、仕事向けに言いかえると次のようになります。
- 同じ観点で大量に確かめる:1件ずつ係を付けて確かめ、見つけた問題は別の係にもう一度確かめさせてから報告する
- 合格するまで直し続ける:確認を回して、落ちた所を直す。2回続けて進まなければ止める
- 大量のファイルを一斉に書き換える:1件ずつ別の作業場所で直して、ぶつからないようにする
- たくさんの情報源を読み比べる:手分けして読み、最後に1体が比べてまとめる
- 新しい発見がなくなるまで探す:2回続けて何も増えなければ止める
注意したいのは、ultracode という言葉が効くのは 自分で打ち込んだ依頼文の中だけ という点です。定期実行のタスクや、-p で渡した依頼、外から届いたコメントの中に書かれていても、ワークフローは始まりません。勝手に大人数が動き出さないための安全策です。
毎回の依頼で Claude に判断させたい場合は、/effort ultracode で、その会話の間だけ自動でワークフローを組むようにもできます。ただしその間は、どの依頼も時間と使う量が増えるので、大きな仕事が続く日だけに絞るのが現実的です。
うまくいった台本は保存して使い回す
同じ仕事を毎週・毎月くり返すなら、うまくいった回の台本を保存しておきます。/workflows で回を選び、s を押すと、保存先を2つから選べます。
| 保存先 | 使える範囲 |
|---|---|
プロジェクトの .claude/workflows/ | そのプロジェクトを使う全員で共有 |
自分のホームの .claude/workflows/ | 自分だけ。どのプロジェクトでも使える |
保存した台本は、次から /<名前> で呼び出せます。「この3件で回して」のように、対象を渡して動かすこともできます。一度うまくいった段取りを、人が変わっても同じ品質で回せる のが、保存のいちばんの価値です。チームの外にも配りたいときは、プラグインに入れて配ることもできます。
費用と規模の決め方
ワークフローはたくさんのAIを動かすので、同じ仕事を会話で進めるより、使う量(トークン)がはっきり多くなる ことがあります。使った分はプランの利用上限に数えられます。公式ドキュメントが勧める進め方は次のとおりです。
- まず小さく試す(全部ではなく、1つのフォルダや狭い問いで)
/workflowsで、1体ずつの使用量を見ながら進める。多すぎたらその場で止める- 強いモデルが要らない段階は、軽いモデルで動かすよう依頼文に書く
大きくなりすぎたときの目印もあります。予定のAIが25体を超えるか、使う量の見込みが150万トークンを超えると、Large workflow という警告が出ます。また、何体くらいで組むかの目安(small・medium・large) を /config で決められます。初期設定は medium(10体未満)で、Pro プランでは small(5体未満)です。目安なので、依頼文で規模を指定すればそちらが優先されます。
ほかにも、同時に動くのは初期設定で16体まで、1回の実行で動かせるのは合計1,000体まで、といった上限があります。AIの数が際限なく増え続ける事故は起きにくい作りです。
任せる前のチェックリスト
- 途中で人に確認できない と知っておく:実行中に入力を求めることはできません。段階ごとに人の確認を挟みたいなら、段階ごとに別のワークフローにします
- 許可の出し方 を決めておく:権限モードによって、毎回聞かれるか、最初の1回だけ聞かれるかが変わります。確認の減らし方は Claude Codeのオートモード で解説しています
- 係ごとの深さとモデル を決める:全員を最強の設定で動かさない。考え方は サブエージェントのeffortとモデルの使い分け が参考になります
- 最後の判断は人が持つ:確かめ係が通した結果でも、取り込む・送るの判断は人がします。変更の確認には Claude CodeのCode Review も組み合わせられます
- 使わない場合は止められる:設定
disableWorkflowsで、ワークフローそのものを使えなくできます。組織全体で止める設定もあります
そのまま使える指示文の例
まず1回、調べものを任せてみるなら:
/deep-research 社内の問い合わせ対応にAIを使うとき、個人情報の扱いで各社の公式な指針は何を求めているか
自分の仕事で組ませるなら:
ultracode: 「資料」フォルダの見積書を1件ずつ確かめて。
確かめる観点は、合計金額の計算・税の扱い・有効期限の3つ。
見つけた問題は、別の係にもう一度確かめさせてから一覧にして。
最初は3件だけで試して、使った量を教えて。
よくある質問
プログラムが書けなくても使えますか?
使えます。台本は Claude が書くので、使う人は「何を・どの観点で・どこまで」を言葉で伝えるだけです。台本の中身は /workflows から読めるので、気になるときだけ確かめれば十分です。
途中で止めたら、最初からやり直しになりますか?
同じ会話の中なら、続きから再開できます。終わった係は保存された結果を返し、止まっていた係だけが動き直します。最新の更新(2.1.305)では、終わった係が不要に動き直す不具合も直されました。
どのプランで使えますか?
公式ドキュメントでは、有料プランのすべてと、API・各クラウドの提供先で使えるとされています。Pro プランでは /config の Dynamic workflows の行からオンにします。仕様は更新が続いているので、使う前に公式ドキュメントで確かめてください。
決まった時刻に自動で回せますか?
ワークフローは、自分で打った依頼か、保存した台本の呼び出しで動きます。決まった時刻の実行には Claude Codeのルーティン の考え方が参考になります。ただし、定期実行の依頼文に ultracode と書いてもワークフローは始まらない点に注意してください。
出典
- Claude Code 公式ドキュメント「Orchestrate subagents at scale with dynamic workflows」
- Claude Code 公式ドキュメント「Run agents in parallel」
- Claude Code 変更履歴(2.1.305 ほか)
この記事はAIを使って下書きし、著者が事実確認・加筆しています。ツールの機能や料金は変わることがあるため、最新の情報は各社の公式ページでご確認ください。


